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別冊『環』19『日本の「国境問題」—現場から考える』刊行

 藤原書店から別冊『環』19『日本の「国境問題」—現場から考える』が刊行されました。
 編集は岩下明裕(JIBSN副代表)で、実務者、企業家、政治家、郷土史家、研究者、ジャーナリストなど50名の多彩な執筆陣が、「領土問題」「国境問題」の議論のあり方に再考を促す特集号となっています。特に、焦眉の急となっている海や島の国境問題について頁が多く割かれています。是非、ご一読ください。

目次は以下の通り
I 総論
国境から世界を包囲する  岩下明裕
「境界自治体」とは何か〔その機能から考える〕  古川浩司
境界=「見えない壁」を見つめて〔根室・対馬・与那国の比較〕  本間浩昭
島嶼と境界〔小笠原諸島から考える〕  佐藤由紀
世界の島嶼国境〔バルト海・マレー半島先端部・エーゲ海・カリブ海〕  長嶋俊介
日本島嶼学会の歩みと国境離島への考え方  鈴木勇次

〈コラム〉
国境フォーラム〔「境界自治体」同士の交流〕  田村慶子
「知られざる国境DVD」シリーズ〔ボーダーに生きる人々の日常〕  竹内陽一
GCOE「境界研究」の博物館展示〔「境界問題」の体感の場として〕  木山克彦

II 千島と根室
「北方領土」とは何か〔冷戦後の失われた20年〕  黒岩幸子
「占守島の戦い」再考〔「8月15日史観」を問い直す〕  井澗裕
密漁の海で〔レポ船・特攻船・ロシア密漁船と根室経済〕  本田良一
「国境」と呼べない街・根室〔その苦悩と今後の展望〕  長谷川俊輔
占領下・勇留島からの決死の脱出  鈴木寛和

〈コラム〉
ビザなし交流〔経済交流を阻む法的厳格主義〕  伊藤一哉
領土問題と地元・根室の声〔「ビザなし特区」による経済交流〕  遠藤輝宣
国後と根室をつなぐ海底電線〔父がソ連人と共生した二年間〕  久保浩昭
エトピリカ文庫  松崎誉

III 樺太と稚内
向こう岸の雲の下〔日露戦争の終わりと樺太のはじまり〕  天野尚樹
「中継点」―「端」―「中継点」〔稚内とサハリンとの交流〕  中川善博
国境標石物語  相原秀起

〈コラム〉
無いものについて〔樺太小考〕  工藤信彦
サハリンとの交流と稚内の発展  佐藤秀志
サハリンとの経済交流の深まり  藤田幸洋

IV 朝鮮半島と北部九州・対馬
朝鮮を囲む四つのボーダー〔華夷秩序と西洋型国際秩序〕  松原孝俊
福岡・釜山超広域経済圏構想  加峯隆義
日韓観光交流に生きる国境の島・対馬  新井直樹
対馬市の国境交流構想  財部能成
韓国から最も近い日本・対馬  金京一

〈コラム〉
国際交流としての対馬の観光事業  比田勝亨
防衛の最前線基地としての対馬  武末聖子
国境離島としての五島  久保実

V 台湾と八重山
八重山台湾交流史  松田良孝
「与那国・自立へのビジョン」断想〔「国境地域政策」の欠落〕  上妻毅
南西諸島における自衛隊配備問題  佐道明広
与那国町の将来展望〔人口増加という課題〕  外間守吉
与那国・中国・台湾の三角貿易構想〔「もう一つの外交」としての国境地域政策〕  吉川博也
竹富町における海洋政策〔海洋保全とまちづくり〕  小濵啓由

VI 大東島
大東島の歴史に連なる兄弟たち  山上博信
ボロジノからボロジノへ〔南・北大東島発見史〕  木村崇

〈コラム〉
南大東島観光大使として  吉澤直美

VII 小笠原
ディアスポラの島々と日本の「戦後」〔小笠原・硫黄島の歴史的現在を考える〕  石原俊
越境してきた小笠原ことば〔その複雑で豊かな言語史〕  ダニエル・ロング
「南洋踊り」が物語る歴史〔小笠原の越境性と多文化性〕  小西潤子
国境と小笠原〔南北800キロ・東西1600キロの小笠原村〕  渋谷正昭
生態学からみた小笠原  可知直毅
潮目のまなざし〔ヘンドリック・セーボレー=瀬堀信一さんの回想〕  南谷奉良
チリ地震津波の体験〔イーデス・ワシントン=大平京子さんの回想〕  今村圭介

〈コラム〉
小笠原諸島の地理と歴史  延島冬生
医師の目からみた小笠原〔国境としての小笠原離島医療の特徴〕  越村勲

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(2012.04.05 up)