北方領土ノサップ岬マラソン参加記(2013年8月18日)
2013年8月18日(日)に根室市納沙布岬で行われた第32回北方領土ノサップ岬マラソンに参加した。前回の様子を写したものだろう、スタート直後の躍動する選手たちの姿がのった大会のポスターが北大スラブ研究センターの壁に貼りだされているのを見て、思わず心奪われてしまった。私は10キロメートル、妻は3.7キロメートルのコースに挑戦することにした。
当日、根室はあいにく今にも泣きだしそうな空模様。まるで緊張と心細さの心の内が、どんよりとした天気に反映しているかのようだった。市役所に設けられた登録会場で受付を済ませた後、バスに乗って納沙布岬の先端にある「四島(しま)のかけはし」に移動。十数台のバスを連ねて移動した先で、厳かに開会式が行われた。賓客の居並ぶ開会式では、大会の趣旨が明確に表された。
開会式の後、今度はハーフマラソン、10キロコース、ファミリーコースごとにバスに乗り込み、それぞれ出発地点まで運ばれた。統廃合で今は使われていないのだろうか、「旧」のつく小学校の体育館を借りて準備を整えたあと、一斉にスタートした。
比較的平坦なコースは思ったよりも走りやすい。一部上り坂もあったが、走りながらロシア語の混じった看板を掲げるお店に気を留めたりするだけの余裕もあった。だが、何より驚いたのは、途中から小雨がぱらつき始めたにもかかわらず、雨をよけて中に入ろうともしないで、傘さえささずに沿道であたたかく声援を送り続けてくれた市民の方が大勢いたということだ。ありがたくて、疲れた体に思わず力が入った。ゴール直前に長い上り坂が待ち受けていて、最後はふらふらになりながらも、なんとか完走できた。
ゴールしてから参加者全員に振る舞われる花咲ガニのてっぽう汁と、「四島おにぎり」を味わうと、ほんのり達成感がわいてきた。振り返ってみれば、本マラソン大会は準備や運営を取り仕切る市職員の方々のみならず、交通整理にあたる警察の方々、給水地点やゴール地点で選手をもてなすご婦人方、食事やドリンク容器の回収、手荷物の管理を手伝う地元の高校生など、多くの人に支えられて行われていたことも実感した。
根室市でリサーチ・インターンとして活躍中のファベネック・ヤンさんと
(後藤正憲)
*JIBSN事務局より 後藤さんご夫妻は、今回、北大と根室市の友好を示すべく、「JIBSN北海道」の青いTシャツをきて、マラソンを走ってくださいました。事務局から心よりお礼申し上げます。
(2013.08.27 up)