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JIBSN講演会IN根室「根室への提言:国境地域の経験から」(2013年7月25日)

 2013年7月25日の午後6時から、JIBSNが主催する最初の講演会「根室への提言:国境地域の経験から」が根室市総合文化会館にて開催されました。北海道大学大学院文学研究科博士課程で日露関係を研究し、7月から根室市北方領土対策課でリサーチインターンとして活躍中のファベネック・ヤンさんの報告を中心に、JIBSN副代表の岩下の講演及び2人のトークにより会は進行しました。120名の参加があり、根室で領土問題にかかわる面々が勢ぞろいする熱気溢れるものとなりました。とくにトークの途中から、漁業関係者の活発なコメントが加わり、これに元島民の方々が応えるなど、様々な「根室の本音」が会場から噴出する様相は圧巻でした。このような開かれた対話が公の場で続くことが、根室から中央へ向けた発信を大いに強めることでしょう。

 フランス人でありながら日本語を母語のように扱い、海舟の名前も持つヤンさんの存在感は、会場に大きな印象を与えたようです。「固有の領土などない」というヨーロッパの知見が根室の方々に響く一方で、根室の方々の「北方領土」にかかわる様々な議論を、ヤンさん自身が今後学んでいくに違いありません。研究と実務・現場が国際的に交錯することで、新たな突破口が見つかることが期待されます。

 この講演会の成功をもとに、対馬や与那国と結ぶ国境マラソンの実現、八重山の三線ミュージシャンを招請しての国境コンサート開催など、JIBSNの今後に向けた新たなアイデアも生まれつつあります。

(岩下明裕)

 

(2013.7.29 up)